働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

Vのガワの裏ガワ1

《あらすじ》
プロの高校生イラストレーターとして活躍する千景。そんな彼はある日、誰もが近づきがたいほどに完成された美しさを持つ孤高の少女・果澪から「ママになってくれないかな?」とお願いされる。
この場合の「ママ」と言えばVTuberのキャラクターデザイン――悩む千景に、果澪は突如脱ぎ出し、きわどい水着姿で迫り……!?
果澪の熱意を受け止めた千景は、同じく高校生イラストレーターの桐紗、自堕落な隣人にして大人気個人VTuberの仁愛を仲間にし、VTuber「雫凪ミオ」プロジェクトを発足。全員で果澪を人気VTuberにするべく、動き出す。
VTuberになりたい女子高生と、クリエイター&ストリーマーたちで送る青春ラブコメディ開幕!

Vtuberになりたいと想う女子高生・海ヶ瀬果澪の秘めた想い。
クラスで孤高の存在として君臨する彼女を突き動かす根幹に何があるのか。
第一線で活躍するプロの高校生イラストレーターが生み出したVtuberとして鮮烈なデビューを果たし、新進気鋭の個人勢として駆け上がるまでのクリエイターたちの送る青春を描くとともに、Vtuberと魂を繋げた人間ドラマをテーマに作品として昇華されていて、Vtuberものとして存在感を確立させる素晴らしい作品だと思いました。

Vtuberとして描かれるものとして最も親和性の高い『炎上』や『配信』を通じてのギャグコメディ路線。そのような作品がVtuberものとして一定数存在していることは認知していました。
しかしながら、『Vのガワの裏ガワ』のようにVtuberとしての存在と自らの存在を重ね合わせて、ここまでストーリー性のある物語として完成されたものには心に響くものがありました。
読み終わってみれば、『Vのガワの裏ガワ』とは簡潔にして的確に作品の全体像を表現された凄くコンパクトなタイトルだと感じました。
新人賞受賞作としてはキャラクターたちの青春ラブコメとクリエイター&ストリーマーたちのディープな日常をしっかりと描かれた素晴らしい作品だと思いました。ぜひともおすすめしたい作品です。