《あらすじ》
「――わたしと、付き合ってください」３学期を迎えたクラスに季節外れの転校生がやってきた。
ピンク色のツインテールに不機嫌そうな表情をした少女の名は、胡桃沢くるり。
その正体はなんと、幸太郎の「男だと思って仲良くしていた幼なじみ」だった！
幸太郎としほの「曖昧な関係」を訝しみキツめな態度を取るくるりだったが、なぜかしほの人見知りは発動しなくて――？
【男だと思って仲良くしていた幼馴染みヒロイン】の登場。
まるで物語のように登場人物たちを【主人公】【メインヒロイン】【サブヒロイン】【モブ】として配置して盤上を俯瞰するメアリーの思惑が、幸太郎としほの日常に忍び寄るほどに何気ないワンシーンやラブコメイベントの不可解さが際立っていて、今回もとってもおもしろかったです。
幸太郎としほの【主人公】と【メインヒロイン】による運命力で作り出される青春ラブコメ、メアリーが切ったカードが二人の関係に干渉したことで及ぼす影響とのせめぎあい。メアリーというキャラクターの存在があらゆる日常の出来事に一つまみ程度の不純物のようなものを感じさせ、物語全体を通して一つひとつの展開に深味があって読み応えのある作品でした。
シリーズ第４巻まで読んでますけれど、他のラブコメ作品とは一線を画していて素晴らしい作品だと思います。
