《あらすじ》
心地よい関係。その、一歩先へ。無事、編集プロダクションに転職することができた糸。親に囚われていた今までとは違い、彼女が彼女らしく生活できていることに、冬は安堵する。
だがそれと同時に、糸が自分から離れてしまうのではないか、という一抹の不安も。恋人ではないが、恋人以上の二人は、歪で、微妙なバランスで成立している。
数週間ぶりに糸に飲みに誘われ、冬が店に向かうと、始まったのは“誰にも気づかれずにキスをするゲーム“。1回につき、キスをされた方が罰金500円。
どうやらこの関係は、しばらく続きそうであるーー。
社会人からの共感の声多数！ 癒やしと、ちょっとエッチな物語第二弾。
恋人という型にはまった関係よりも、ただお互いに楽しさを分かち合うだけの自由な関係に留め、恋人ではない二人が恋人以上のことを続ける。
大学時代のような心地よい時間を社会人になった二人が居酒屋で酒を酌み交わしながら満喫する。社会人らしい仕事の愚痴や世間話などの思わずくすりと笑える共感を抱くエピソードトークのチョイスや、二人の楽し気なテンションでのやりとりには同じように社会人として労働に勤しむ姿には一読者の心を癒す効果がありました。
“恋愛”物語ともラブコメとも異なる、大学生から社会人へとなり親の庇護下から離れ自由人となった二人の何気ない日々の積み重ねを切り取った内容でしたけど、他人から見たら歪とも思える関係性から描かれる物語がとても魅力的な作品でした。
持崎湯葉さんの作品はこれまでにもいろいろと目を通してきましたけれど、数ある作品群のなかでもとても記憶に残る作品なのでぜひともおすすめしたいです。
