どこにでもいそうな平凡な女子高生・佐取燐香。幼少期から他人の精神に干渉できる異能を身に宿し、力のコントロールを習得していくうちにどこか達観したような価値観を併せ持つ二面性のあるキャラクター。バスジャック事件をきっかけに知り合ったおっさん警察官・神楽坂と異能犯罪に立ち向かうために組まれたJK×おっさんの凸凹コンビの絡みがおもしろかったです。
それに加え、全体的に異能要素よりの物語の展開と軽めのミステリー要素の掛け合わせで【異能力を駆使して未解決犯罪に挑む主人公たちの事件簿】のニュアンスが強いので、ストーリーの流れに乗って作品を楽しめる構成になってました。
なので、ミステリーと身構えるよりも、異能力を持った人物が警察事件に首を突っ込んだらどんな流れで解決されていくかのストーリーを楽しむくらいの感覚で読める作品でした。
事件を解決するまでの流れもなかなかにダイナミックで、【異能力】という科学では解決できない力の歪さが如実に描かれていました。
個人的にもお気に入りの作品なので、ぜひとも続巻を読んでみたいです。