高嶺の花だらけの名門学校にごく普通の庶民である主人公が入学してから大会社の子息・令嬢が数多く通うなかで切磋琢磨を続けていき、いろいろな人たちと交友を深めていくなかで成長してきてたどり着いた先が、『マネジメント・ゲーム』という舞台で華を開き、自らが仕える雛子と対等に渡り合えるまでに至っている事実が作中の時間経過を感じ取れて感慨深いです。
そして、『マネジメント・ゲーム』というリアルに近い会社経営をシミュレーションするなかで、現実世界の企業で起こるであろうイベント演出。“株主総会”、“M&A”などなど。専門的な知識と分野の舞台をシンプルかつソフトに物語の展開として組み込まれていて、素人目戦でもとても楽しめる内容となっていて読み応えがありました。『マネジメント・ゲーム』の終盤戦にかけては全シリーズ中でもかなり作品としての熱量を感じられる展開でした。
これがお嬢様と庶民のラブコメだったことが記憶の片隅に追いやられるくらいです。
シリーズ第7巻も文句なしの傑作でしたし、イラストレーターの“みわべさくら”さんの描いてくれたヒロインたちのカラー&モノクロイラストがとても見栄えが良くて楽しむことができました。
8巻も楽しみにしています。