働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか?

センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか? (GCN文庫)

《あらすじ》
ある日、模範的に将来性のない底辺社会人、田町創のもとに『センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか?』と連絡が。
相手はネトゲで知り合った、顔も名前も年齢も知らない五年来の友人、「レナ」。
『実は自分、巨乳JK美少女なんすよ』と言うので釣られに行ってみれば、看板に偽りなしの本物が待っていた!

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顔も名前も素性も知らない長年のネトゲフレンドの正体が実は巨乳美少女女子高生。
引きこもりでコミュ障気味のレナが飛行機に乗って東京に住む主人公のもとにやってきたわけとは……。
親のもとを離れ、家族や親戚筋を頼ることもなくわざわざやってきた理由は追々語られる事実なので割愛しますが、『未成年女子高生×社会人主人公』の構図から繰り出す同居生活ものって定番のシチュエーションですね。

主人公も『未成年の女子高生を自宅に泊めている』という事実と社会的リスクをきちんと認識したうえで、それでも自らのもとを訪ねてきた“レナ”の境遇を慮って同居生活を続ける決断に至りました。はたして“レナ”はどんな人生を歩んできて、彼女を自宅に泊める決断をした田町創という人間はどんな人間であるのか。義務教育の延長にある人生のレールから大きく外れた道を選ぶにいたるまでにいったい何があったのか。

登場人物たちの価値観を大きく変えるにいたったエピソードや生い立ちがとても繊細に描写がされていて、表紙のポップなイラストの雰囲気にはない凄みが感じられる作品でした。

この作品自体は凄く好みのタイプではありましたけれど、個人的には全体的に余分な地の文が多い印象があって、1冊のボリュームのわりには客観的な変化が見えづらいのと今後の展開に大きく関わる重要人物の登場を臭わせておいてそのまま終わらせるのはさすがに無いと思います。
せめてもっと切りよく終わらせてほしかったです。

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