ザーカリーとの一件で急接近した虎木とアイリス。
未晴たちに追及されながらいつもの日常を過ごしていると、室井愛花と同じく日中に活動する吸血鬼《デイウォーカー》についての噂を耳にする。
半信半疑でいたある夜の池袋、虎木はファントムに襲われていた少女・羽鳥理沙を救い出す。 鉈志と名乗る脱走犯……虎木と同じ力を使うこの男がその《デイウォーカー》なのか!?
吸血鬼――その深淵に迫るべく虎木たちは奇妙な脱走事件を追うことに。
ラブコメの雰囲気が見え隠れしていた虎木とアイリスの関係に急展開。兼ねてより虎木を慕っていた未晴の胸中は、ちょっと甘い顔を見せていたらつけあがりやがってこんのクソビ〇チ!! くらいの罵声が響き渡ってきそうな修羅場に突入していて草。
アイリスも未晴も血の気の多いヒロインで行くところまで行けば殺意MAXの刃傷沙汰にまで突入しそう。これぞ文字通り“正妻戦争”がピッタリハマりそうな空気が漂っていて、『ドラキュラやきん』という作品が積み重ねてきた世界観とキャラクター性が生み出した面白さなのだと思うと、本当に素晴らしい作品だと思います。
人間としての命の枷から外れた虎木。血縁者たちは年々と年老いていき、ファントムとしての命がもたらした日常生活に与える影響。
ファントムから人間に戻ろうとする糸口を掴み成し遂げようとする一方で、年々少しずつ周囲の人間たちが寿命を迎えていく。
和風ファンタジー的な世界の住人たちが繰り広げる戦いとキャラクターたちに焦点を当てた語り合いでより『ドラキュラやきん』という作品の深味を感じさせる。そういった面白さもあって、物語が進むにつれてますます続きが気になってくる作品です。