《あらすじ》
元アイドルのミルを“普通の女の子”にプロデュースすることになった蓮。そんななかミルは蓮への想いに気づきながらもはじめて抱く恋心に戸惑っていた。
新たなミルらしさを見つけるため、蓮はミルとともに夏休みを過ごす。プール掃除や、小旅行に花火。ありきたりで、しかしかけがえのない思い出は一つずつ増えていき……。
「ねえ、この先も君が、いっぱい私に教えてよ。アイドルじゃない、これからの香澄ミルを」
そっと変わりはじめた二人の関係。一方、同級生で親友の琴乃は、蓮の変化に揺れていて……！？
元国民的アイドル“香澄ミル”がごく普通の女の子の“香澄ミル”として生きていくため、自分らしさを見つけるため、ごく普通の生活をしていくなかで経験を重ねていくうち少しずつ思い出を積み重ねていく。
かつて、蓮と出会い、転校生としてやってきた頃の“香澄ミル”との変貌ぶりを、蓮とともに過ごしてきた学生生活、夏休みの期間での語らいとともに振り返ってみるととても感慨深いものが湧き上がってくる作品になっていて素晴らしかったです。
そして、夏休みという長い休みは可能性の塊でもある学生にとって新たなことへ挑戦する機会となり、蓮、ミル、琴乃の三人はひょんなことがきっかけで一つの映像作品に関わることになる。
天性の才能と不断の努力によって国民的アイドルに上り詰めたミル、夢中になれるものを探し続け本物に出会いつつある蓮、そんな二人を目の前にして自らの境遇を憂いもがき苦しみ始める琴乃。
映像作品の制作を通じて三人の生き方に深く影響を及ぼし繰り広げられる青春劇と揺れ動く恋心もとても丁寧に描かれていて、とても感動的な作品でした。
