《あらすじ》
隠し事をしたままで、僕らは前に進めない
ピアノを通じて、弥生ちゃんとの距離も少し近づいた皐月。でもまだ堂々とデートに誘うのはハードルが高く……。
なかなか進展しない二人の関係にやきもきする影が二つ。
――弥生の妹・卯月。
――皐月の妹・早苗。
出会ってはいけない二人が出会ったとき、野次馬もとい、強力な恋愛アドバイザーコンビが誕生する！
そんななか、卯月は弥生ちゃんの恋心とは別の意味で皐月の動向を裏で探っているようで……？
恋の乱入者は弥生と皐月の恋路に何をもたらすのか！？
そして皐月は、ひとつ大きな決心をする。
人の心が読めてしまう少年と、隠しごとばかりの少女の両片想いラブコメ第二弾！
上記内容は本書刊行時のものです。
触れた人の心の声が聞こえる男子高校生・深瀬皐月、ごく普通の高校に通いながらエージェントの仕事をこなす女子高校生・木之下弥生。
心を閉ざしてずっと一人でいた弥生の心を開き、友好的な関係を築いた皐月の関係に対して、周囲の男子生徒からは嫉妬の視線を向けられ、弥生の妹・卯月と皐月の妹・早苗は恋バナをネタに盛り上がり……。
恋する相手のことを考えるときだけは【エージェント】から【普通の女子高校生】の姿になる弥生。それを可能にしたのが【サイコメトリー】の能力を持つ皐月。秘密を知る者、秘密を知られていることを知らない者。
今はまだ、平凡な男女としての距離感で仲良く会話をして、デートにも出かけ、芽生えた恋心に少しずつ距離を縮めていく関係が保たれているけれど、もしもお互いが秘密にしていることがバレたら……。
そんな危うい均衡のうえで成り立っている関係性を客観視すればするほど、そして二人の距離が縮まれば縮まるほど、秘密がバレたときの展開に焦燥感が掻き立てられてしまう。
傍目からは運命的なめぐり合わせで繋がりが生まれただけに、皐月と弥生の関係性の行き着く先、二人が秘密を共有してそれでも今以上の関係性を築き上げることができるのか。二人の仲にはやきもきさせられるし、はたしてどのような展開をたどるのか続きがとても気になる作品です。
イラストレーターのパルプピロシさんの描く弥生のイラストを含め、カラー口絵・モノクロ挿絵どちらも全く見劣りすることのないクオリティーなのはもちろんのこと、イラストやチョイスがどれも凄く良くて、挿絵の部分を見るのが楽しみになってくるイラストレーターですね。
