義妹生活９ - 働きたくない村人のラノベ日記

《あらすじ》
高校生活、最後の夏。兄妹の恋愛生活小説、第9弾。
学校では『恋人』、家では『兄妹』。
すりあわせによって適切な距離を見つけた悠太と沙季だったが、直後、両親のいない『完全に二人きりの二日間』を過ごすことになってしまう。
果たして二人は適切な距離を保ち続けられるのか……。
一方、学校のイベント、友達の青春と応援、新人バイト『後輩ちゃん』との交流など、悠太と沙季に新しい風が容赦なく吹きつけるが……？
『出会い』から一年、様々な出来事を経て変わった二人が迎える高校生活最後の夏。

両親の再婚を機に義理の兄と妹の関係におさまった二人。学校ではクラスメイトを装い、家では兄妹の距離を保ちつつも、恋人としての想いが胸に宿る部分もあってふとした瞬間に目で追ってしまったり、恋人の近くにいる異性との交遊関係を勘ぐってしまったり。
等身大のスケールで解像度の高い高校生像とスクールライフを描きつつ、特殊な家庭環境を持つ義理の兄妹であり恋人同士である二人の視点で描かれる日常風景がとても密度が濃くて、青春ものではあるけれどその一日一日を考えて大切に生きる二人の姿は読みごたえがありました。
なんとも複雑な距離感を強いられる恋人関係で、他のクラスメイトがサラッと自分の彼女を紹介するシーン一つをとっても感じ入るものがありました。
高校生活最後の夏。進路に向けての受験勉強やその他いろいろなものがやってくる二人の高校生活が今後、どのようなものになるのか続きが楽しみです。