働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

負けヒロインが多すぎる!

負けヒロインが多すぎる! (ガガガ文庫)

《あらすじ》
クラスの背景である俺――温水和彦は、あるとき人気女子・八奈見杏菜が男子に振られるのを目撃する。
「私をお嫁さんにするって言ったのに、ひどくないかな?」
「それ、いくつの頃の話?」
「4、5歳だけど」
それはノーカンだろ。
これをきっかけに、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花など、負け感あふれる女子たちが現れて――?
「温水君。女の子は2種類に分けられるの。幼馴染か、泥棒猫か」
「なるほど、大胆な分類だ」
負けてこそ輝く彼女たちに、幸いあれ。
負けヒロイン――マケインたちに絡まれる謎の青春が、ここに幕を開ける!

勝ちヒロインがいれば、負けヒロインもいる……

家が近所で、幼い頃から家族ぐるみで付き合いのあった幼なじみが他の女の子と恋人になっていたり。
同じ部活の部長である先輩が幼なじみと恋人となり、部員の女の子の恋が終わりを迎えたり。
勝ちを確信していたはずなのに横から掻っ攫われる負けヒロイン、敗色濃厚だけどわずかな希望にかけて想いを告げた負けヒロイン。
自分だけの青春を歩んで爆死していったヒロインたちが何の因果か集い、負けヒロインたちによる新たな青春が繰り広げられる異色のラノベでした。

決して容姿が劣って負けヒロインになったわけじゃなく、決して性格が悪くて負けヒロインになったわけではない。
ただ、運命のいたずらで、好きだった異性の前に運命の相手が現れてしまったがゆえに負けヒロインとなってしまった……
残酷なようにも見えるけれど、勝ちヒロインがいれば負けヒロインもいる。
なんですかね、世のラブコメ作品の描かれることのなかったアナザーサイドを寄せ集めたような視点で描かれていて、“恋は戦争”だとあらためて感じました。
主人公である温水和彦くんはそんな負けヒロインたちに深く関わってしまう不運な星のもとに生まれたキャラクターですけど、この先どんな青春を送ることになるのか。
続きが楽しみです。


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