働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

恋は双子で割り切れない5

《あらすじ》
 横浜でのデート。琉実と付き合っていた頃にも行った思い出の場所。あの時と違うのは、今日は那織も一緒ということ。
 7月24日。今日は僕の誕生日。琉実と那織から誘われて、三人で出掛けていた――幼い頃からよく知る家族同然の三人で。昔みたいに。
 だけど、この楽しい時間がもうすぐ終わるということを、僕は知っている。
 今日僕は想いを告げる。
 告白の結果はどうあれ、一つの恋が終わることだけは間違いがない。この関係が崩れてしまうことに、もう戻れないことに対して明確な恐怖がある。
 それでも僕は言わなければならない。
 君が、好きだから。

小さい頃から一緒に過ごしてきた近所の幼馴染みの姉妹から好意を寄せられる。
二人とも家族同然に仲が良く、二人とも心の底から好きなだけにどちらとも選べない葛藤が続く日々。
創作の世界にある都合のいいハーレム展開はなく、どちらか一人を選ばなければいけない状況に立たされ、ついに主人公のなかにひとつの決断の軸が生まれこれまで抱き続けてきた恋愛感情に終止符を打つことになる、一つの恋の終わりと一つの恋の始まりが描かれた一冊でした。

この作品が始まった当初にあった主人公と姉妹の間の和気藹々とした光景。その裏にある燃えるような恋愛感情と隠微なやりとりが、主人公に自らを異性として釘付けにさせ、仲の良い姉妹との楽し気な青春と泥沼のような恋愛ストーリーがとても癖になる作品でした。
それがシリーズ第5巻にしてとうとう三角関係の一角が崩れ去ることになり、これまでの三人が積み重ねてきた思い出の日々があるだけに崩壊するときのインパクトはとても響きました。
主人公が姉妹のどちらを選ぶことになるのか。そして、主人公の恋と青春はどのようなものになるのか。結末とともにその後の展開も気になってくる一冊でシリーズの集大成ともいえる内容で最高でした。


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