働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

察知されない最強職(ルール・ブレイカー)9

察知されない最強職(ルール・ブレイカー)9 (ヒーロー文庫)

《あらすじ》
教会に端を発した災厄や戦乱は「シルバーフェイス」の働きで解決を見た。ヒカルたちはつかの間の休息を楽しんでいたが、「世界を渡る術」によって日本に渡ったセリカたち「東方四星」の問題を解決しなければならない。毎月1回、日本とこちらをつなぐ亀裂を開くのだが、そのときセリカが投げ込んできたスマートフォンには動画が収録されていた。セリカが話すことには日本ではすでに彼女たちが「異世界人」であることがバレており、異世界とつながるゲートについては世界が注目しているのだという。さらに、動画にはヒカルの先輩である葉月の声も入っていた……彼女はヒカルに問う。
ヒカルが生きていることを、両親に伝えなくていいのか、と。一方、ヒカルたちの滞在しているポーンソニア王国では術を発動させるのに必要な精霊魔法石が大幅に値上がりしていた。ヒカルはこれを手に入れるべく女王に相談したりオークションに参加したりするのだがうまくいかない。そんな時、テイラー男爵家の魔術研究者アイザックと出会う。彼の研究が成功すれば高価な精霊魔法石が少しですむとわかり、ヒカルは協力を申し出る。テイラー男爵家は多額の借金を抱えており、その解決のために、ヒカルは借金相手のバラスト商会に侵入し、借用書におかしな点があればそれを突いてやろうと考えたのだが……気がつけば、大騒動に巻き込まれていた!
皆に慕われていた先代、そのプレッシャーに負けた今の商会長、商会長の座を譲ったその兄。彼らの人間模様を見ていて、ヒカルは自分の両親のことを思う。せめて自分のことを連絡するべきではないのか。そしてそのときはやってきた。「世界を渡る術」はついに安定して使えるようになった。ヒカルは日本へと渡る決心をする。

異世界と日本を繋ぐ『世界を渡る術』の研究も少しずつ成果を見せ始め、日本へ渡った『東方四星』と定期的なコンタクトが可能となるまでになりました。
そして、異世界の存在を知ったことで日本政府と『東方四星』に繋がりが生まれ、メディアは『世界を渡る術』に注目をし始める。

異世界に転生or召喚された作品で日本への帰還をはたす作品は、そこから『現実世界でファンタジー世界の強さと魔法を備えている』ロマンがあって個人的にはメチャクチャ刺さる展開ですね。
そんな展開をたどる作品は稀有ですし、長期シリーズ作品でしか見られないようなネタではあるんですけど……

異世界でラヴィアやポーラたちとの充実した生活を過ごすヒカルですが、日本への帰還手段に目途がつき、かつての両親とも再会をはたし、彼が『異世界と日本の暮らしのどちらをとるのか』についても大きな分岐点となりました。
日本にいた頃のヒカルの家庭環境、人間関係。異世界で出会った人たちとの関係。二つを天秤にかけたときの胸中、安定させることが可能となった『世界を渡る術』により、彼がどんな人生を歩むことを決めるのか。最後まで見どころのある物語になっていて最高でした。
日本をガッツリとメインにしたヒカルとラヴィアたちの物語ももっと読んでみたいものです。

bookwalker.jp

察知されない最強職(ヒーロー文庫)(ライトノベル)の電子書籍無料試し読みならBOOK☆WALKER